とれいん工房の鉄道省私文書館

鉄道関係の情報を中心としたブログ。主に未成線や廃線、鉄道史、宮脇俊三、関西の鉄道、ローカル線など鉄道趣味の外縁部を紹介します。

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宮脇俊三書評40作 (16)「終着駅は始発駅」

 各雑誌で書いてきたコラムやエッセイをまとめた作品である。生前、新潮社から3冊出たシリーズの第1弾になる。アンソロジーはこうやって編むんだっていう見本のようなエッセイ集である。
 枯れてしかるべき五十歳代のオジサンが児戯に満ちた趣味に興じるその心意気を伝えていこうとのお節介心が楽しい。北海道2編と陸羽東線の作品は短編ならではの味わいがある。不要不急の父親の悲哀を感じさせる「君臨すれども」が特におすすめ。

終着駅は始発駅 終着駅は始発駅
宮脇 俊三 (1985/08)
新潮社

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  1. 2006/09/25(月) 20:27:22|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (15)「時刻表ひとり旅」

 時刻表と鉄道旅行の楽しさを解きほぐす、いわば宮脇版「鉄道旅行術」とも言える作品だ。講談社現代新書のレーベルに入っている。意外にも新書扱いの著作は宮脇作品ではこれ一冊だけだった。
 時刻表とは「見る」ものであり、「調べる」ものであり、「読む」ものではない...というのは通常の理解である。じゃあ、「時刻表のどこがそんなにおもしろいのか」と問われると、なかなか返答に窮する。時刻表は何も答えてくれない。
 じゃあ、宮脇ならではの楽しみ方を伝授しましょうというのがこの本の趣旨である。

時刻表ひとり旅 時刻表ひとり旅
宮脇 俊三 (1981/01)
講談社

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  1. 2006/09/24(日) 14:19:00|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (14)「台湾鉄路千公里」

 宮脇作品初の海外ネタになる。隣国、台湾に広がる1034キロの鉄道路線を一週間で全線踏破してしまう。鉄道趣味なんて意識のない国だから、宮脇の行動は奇異そのもの。用もないのに終着駅に来て、そのまま折り返そうとする……そんなマニアには当たり前のことが伝わらない。
 そして、文章のあちこちで触れられる熱帯ならではの暑さ、旧植民地ならではの遺物。日本で忘れられたアジアの匂いに対する郷愁が満ち満ちている。それがあまりにも気持ちよすぎる。


台湾鉄路千公里 台湾鉄路千公里
宮脇 俊三 (1980/01)
角川書店

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台湾鉄路千公里 台湾鉄路千公里
宮脇 俊三 (1985/08)
角川書店

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  1. 2006/09/23(土) 07:57:48|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (13)「夢の山岳鉄道」

夢の山岳鉄道 単行本 夢の山岳鉄道 単行本
宮脇 俊三 (1993/06)
JTB

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夢の山岳鉄道 夢の山岳鉄道
宮脇 俊三 (1995/09)
新潮社

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 日本の名だたる観光地を巡っていると、ため息をつくことが多くなる。クルマで埋まっている道路、駐車場。環境破壊なんて言葉をいちいち出さなくても、こうした排ガスの列が日本の原風景を台無しにしていることは一目瞭然である。でも、そんな彼らによって潤う人たちに対する配慮か、クルマの走行を規制することはまずあり得ない。
 そんな百害あって一利なしの自動車施設を引き剥がして、代わりにスイス風の登山鉄道施設を作ってしまえ……というのがこの本の趣旨になる。
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  1. 2006/09/22(金) 17:30:02|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (12)「古代史紀行」

古代史紀行 古代史紀行
宮脇 俊三 (1990/11)
講談社

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古代史紀行 古代史紀行
宮脇 俊三 (1994/09)
講談社

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 中央公論社時代に『日本の歴史』など歴史全集の編集に携わったこともあり、宮脇の歴史に対する造詣は深い。過去の各紀行作品にもその片鱗が随所に散見されており、文章の奥行きと読者の想像力を深めてくれる。
 本作は『日本通史の旅』として連載された紀行文を集めたもので、各地に点在する史跡巡りを素材としている。歴史年表に従って年代順に訪問していくのが奇抜と言えば奇抜であるけれども、もちろん歴史が主題となっているので鉄道の出番は少ない。そこがマニアにとっては物足りない。
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  1. 2006/09/21(木) 19:55:41|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (11)「失われた鉄道を求めて」

失われた鉄道を求めて 失われた鉄道を求めて
宮脇 俊三 (1989/09)
文藝春秋

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失われた鉄道を求めて 失われた鉄道を求めて
宮脇 俊三 (1992/09)
文藝春秋
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 30年前、40年前の時刻表を読んでいると、無念の想いがこみ上げてくるのは私だけではないはずだ。
 夕張鉄道やら歌登町営軌道やら定山渓鉄道やら耶馬渓鉄道やら田口鉄道やら淡路交通だやら井笠鉄道やら北恵那鉄道やら羽後交通やら……書いているだけでも口惜しさがこみ上げてくるけれども、とにかく時刻表末尾の社線ページにはキラ星のごとく超弩級のローカル私鉄が点在していた。国鉄本文のページも同様。宇品線やら札沼線やら篠山線やら鍛冶屋原線やら大島航路やら。リアルタイムでは体験することができなかった路線が資料を見ずにスラスラ出てくるのは色々とこだわりがあるからなんだろう。特に80年代の国鉄再建法の絡みで消えていった特定地方交通線。家族や学校に拝み倒して中学一年生の時から一人旅に出かける機会を得たこともあり、その6割方は乗車することができた。2割ほどの第3セクター化された路線も後に訪問することができた。けど、残りの2割。白糠線、士幌線、羽幌線、岩内線、日中線、赤谷線、倉吉線、添田線、宮原線、妻線……消えていった宝物は二度と還ってこない。目の前で見送ってのだから始末が悪い。あと5年、いや2年でも早く生まれていたならば……との想いが去来してやまないが、もはや後の祭り。あまりにも口惜しかったから、こうした路線の命日は今でも頭にこびりついている。こうした鉄道関係の文章を紡いでいるのも、元を辿れば、あのときの怨念を引きずっているからなのである。
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  1. 2006/09/20(水) 02:06:36|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (10)「汽車との散歩」

汽車との散歩 汽車との散歩
宮脇 俊三 (1987/05)
新潮社

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汽車との散歩 汽車との散歩
宮脇 俊三 (1990/06)
新潮社

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 テレビに出ている宮脇を何度か見たことがある。『車窓はテレビより面白い』で取り上げられている湧網線の番組と、『線路の果てに旅がある』での北海道廃線巡りの番組である。双方、企画として興味深かったけれど、肝心の本人がボソボソしゃべっていて何を言いたいのか分かりづらかったし、細かくシーンが変わっていくんでいつもの蘊蓄が語られることもなかった。我々マニアの琴線に触れることもなく終わった。まあ、あまりテレビ映りがいい方ではないし、仕方ないだろう。
 けれども、文章のレベルはそれとは無関係である。新潮社から出された『終着駅は始発駅』と『旅は自由席』そして本作をあわせたエッセイ三部作は、宮脇流鉄道旅行術の思想を露わにしてくれる。
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  1. 2006/09/19(火) 23:51:58|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (9)「旅の終りは個室寝台車 」

旅の終りは個室寝台車 旅の終りは個室寝台車
宮脇 俊三 (1987/06)
新潮
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 ローカル線紀行が中心だったこれまでとは違い、列車を乗り継いだ旅を集めた作品になっている。
 今回の「曾良」役は、『小説新潮』の藍孝夫氏。阿川弘之作品にも出てくる編集者だ。ただ、鉄道については全く関心がないとかで、宮脇「芭蕉」の解説にもなかなか耳を傾けようとしない。かといって道化役を演じるわけでもなく、ただただ退屈そうな顔で師匠について行くだけである。


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  1. 2006/09/14(木) 23:19:32|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (8)「線路のない時刻表」

線路のない時刻表 線路のない時刻表
宮脇 俊三 (1986/04)
新潮社

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全線開通版・線路のない時刻表 全線開通版・線路のない時刻表
宮脇 俊三 (1998/02)
講談社

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 建設中の鉄道線を見るのは楽しい。未完の白いコンクリート橋、掘削途中のトンネル、足場が組まれただけの駅舎予定地……完成後の姿を想像するだけで心が躍る。
 我々の愛すべき鉄道ってのは、経済性やなんやらでリアリズムの世界に生きているので、なかなか自分の思いは通じにくい。しかし、建設中の鉄道の場合、現実として形になっていない分、いろいろと妄想を働かすことのできる余地が残っている。現実の矛盾を忘れ、自分が夢見る風景だけをそこに再現することができる。後に鉄道ネタを連発する川島令三氏なんてヒトは、そのエクスタシーだけで文章を売っているのだからある意味では凄いヤツである。けど、そんな横恋慕は悪夢にもなりかねない。彼なんてまさにそのジレンマに陥っている。
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  1. 2006/09/13(水) 21:18:40|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (7)「殺意の風景」

殺意の風景 殺意の風景
宮脇 俊三 (1985/04)
新潮社

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殺意の風景 殺意の風景
宮脇 俊三 (2006/05/11)
光文社

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 日本のトラベルミステリーには時刻表をトリックの素材に扱った作品が多い。松本清張や森村誠一など大御所しかり、西村京太郎や辻真先もしかり。その存立の基盤となっているのは、複雑怪奇のダイヤグラムの中で時刻表の数字が正確に守られている……という日本なりの特殊事情があってからこそのことである。ヨーロッパやインドなんかではまずあり得ない話だ。
 ただ、同種の作品が乱立した結果、トリックの持つインパクトが弱まっているのも現実。突拍子もないネタを羅列するだけで物語に工夫を凝らした形跡のない作品がほとんどである。てなこともあって、ミステリー小説が一大ジャンルを形成している今日、その読み手の大部分は鉄道系の作品に見向きもしない。偏屈者の多い鉄道マニアも鉄道描写がいい加減な鉄道ミステリーに興味も示さない。

 だからこそ、宮脇がミステリー作品を発表する……と聞いたときは驚きもした。時刻表に造詣が深いことは重々承知だが、いまさらそれをトリックに使っても二番煎じなんじゃないの。そもそも鉄道紀行とミステリー、そこで求められる才能は別種のものじゃないのとも感じた。が、その心配は杞憂だった。 [宮脇俊三書評40作 (7)「殺意の風景」]の続きを読む
  1. 2006/09/12(火) 20:49:57|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (6)「シベリア鉄道9400キロ」

 戦前の時刻表を捲ると、ため息の連続である。格調高い急行や特急群。拓殖鉄道や簡易軌道、軽便鉄道などの超ローカル鉄道。あの世代に対する同時代感覚がない私たちにとっても、憧れと羨ましさはひとしおである。
 そんな中でも、マニア心をかき立ててくれるのは、「歐亞連絡」の項である。東京駅を特急「富士」で出発し、下関、釜山、京城、平壌、新京、満州里、知多を経て莫斯科まで11日間かかったという。日本と中国大陸、そしてヨーロッパが一続きに繋がっているんだ……たぶん宮脇少年は、時刻表の上で現実の世界と異世界とが連続しているということに快感を覚えると共に、非日常的世界へと想像力を働かせていたのだろう。

シベリア鉄道9400キロ シベリア鉄道9400キロ
宮脇 俊三 (1983/05)
角川書店
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[宮脇俊三書評40作 (6)「シベリア鉄道9400キロ」]の続きを読む
  1. 2006/09/11(月) 21:47:39|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (5)「汽車旅12ヵ月」

ここの姉妹サイト、「とれいん工房の汽車旅12ヵ月」の元ネタとなった作品です。


汽車旅12ヵ月 汽車旅12ヵ月
宮脇 俊三 (1982/04)
新潮社

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 1月から12月までの各月をテーマとして、12編の歳時記風にまとめた短編集。『時刻表2万キロ』や『最長片道切符の旅』が「宮脇旅行術実践編」とすると、こちらはその「理念編」になる。不要不急の旅をする上での心構えを語りかけてくれる。もちろん、「○○すべし」という精神論ではない。ただただ季節の移り変わりにあわせた鉄道旅行の楽しさをいつもの調子で語りかけてくれる。
[宮脇俊三書評40作 (5)「汽車旅12ヵ月」]の続きを読む
  1. 2006/09/05(火) 20:05:49|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (4)「時刻表おくのほそ道」

時刻表おくのほそ道 時刻表おくのほそ道
宮脇 俊三 (1984/01)
文芸春秋

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 好評を博した『時刻表2万キロ』のローカル私鉄版。
 ただ、前作と根本的に異なるのは、宮脇作品では初めて同行者が登場したことである。文藝春秋『オール讀物』編集部の名取昭氏、その後任の明円一郎氏。双方ともマニアではないけど、マスコミ業界にしては珍しく鉄道趣味に対する関心も持ち合わせている。宮脇「芭蕉」と鉄道説法を繰り返す中で、見事な「曾良」ぶりを演じている。
[宮脇俊三書評40作 (4)「時刻表おくのほそ道」]の続きを読む
  1. 2006/09/05(火) 19:59:53|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (3)「時刻表昭和史」

時刻表昭和史 時刻表昭和史
宮脇 俊三 (1980/01)
角川書店
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 私が初めて読んだのは確か小学校4年生の時である。この本が刊行された翌年で、確か近所の市立図書館で借りて読んだ記憶がある。
 正直言うと、初見の時の印象はあまり良くなかった。教科書やら戦争やら軍人やらのエピソードばかりで、鉄道の話は少ない。そもそも昭和ヒト桁の鉄道史にはあまり興味が沸かなかった。
 昭和初期の近代史って、子供にはなかなか難しいと思う。三国志や戦国時代物のように英雄英傑が闊歩したり血湧き肉躍る物語があるわけでもないし、野口某や与謝野某のようにやたらと肩肘張ったヒトばかり登場してくる。
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  1. 2006/09/05(火) 19:57:19|
  2. 宮脇俊三の話

宮脇俊三書評40作 (2)「最長片道切符の旅」

最長片道切符の旅 最長片道切符の旅
宮脇 俊三 (1979/01)
新潮社
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 中央公論社の退社、『時刻表2万キロ』の刊行が行われた78年の秋。新潮社から依頼を受けて北海道広尾広尾駅から鹿児島県指宿枕崎枕崎駅まで延長13、319・4キロを旅した記録をまとめたのが本書である。
 最長片道切符(一筆書き切符)とは、同一区間・同一駅を経由しないで作成した片道切符の中で最も長い距離を有する切符のことを指す。当時22、000キロあった国鉄全線の6割方を連続して乗車する計算になる。
 この切符自体は種村直樹の『鉄道旅行術』(当時、日本交通公社)でお馴染みになった感もあるが、一ヶ月以上旅を続けなければ全区間踏破することが難しいこともあって、時刻表マニアのための机上での算術的お遊びと見なされてきた。この難題に、編集業から退いてライターとして独立したばかりの宮脇が臨んだわけである。
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  1. 2006/09/05(火) 19:27:31|
  2. 宮脇俊三の話
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プロフィール

もりくち

Author:もりくち
関西在住の鉄道マニア兼バックパッカー。「とれいん工房」として同人誌を多数発行。2001年に「鉄道未成線を歩く 私鉄編」、2002年に「鉄道未成線を歩く 国鉄編」をJTB出版事業局(現、JTBパブリッシング)から刊行しています。日々の話は、下のリンク先にある「とれいん工房の汽車旅12ヵ月」へ。連絡先はmalmori●nifty.com。

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