とれいん工房の鉄道省私文書館

鉄道関係の情報を中心としたブログ。主に未成線や廃線、鉄道史、宮脇俊三、関西の鉄道、ローカル線など鉄道趣味の外縁部を紹介します。

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宮脇俊三書評40作 (10)「汽車との散歩」

汽車との散歩 汽車との散歩
宮脇 俊三 (1987/05)
新潮社

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宮脇 俊三 (1990/06)
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 テレビに出ている宮脇を何度か見たことがある。『車窓はテレビより面白い』で取り上げられている湧網線の番組と、『線路の果てに旅がある』での北海道廃線巡りの番組である。双方、企画として興味深かったけれど、肝心の本人がボソボソしゃべっていて何を言いたいのか分かりづらかったし、細かくシーンが変わっていくんでいつもの蘊蓄が語られることもなかった。我々マニアの琴線に触れることもなく終わった。まあ、あまりテレビ映りがいい方ではないし、仕方ないだろう。
 けれども、文章のレベルはそれとは無関係である。新潮社から出された『終着駅は始発駅』と『旅は自由席』そして本作をあわせたエッセイ三部作は、宮脇流鉄道旅行術の思想を露わにしてくれる。

 冒頭の「鉄道ファンの言い分」という文章ではマニアの持つ矛盾した気分を描き、「五〇歳以上お断り」と「廃線供養」では過去と未来の双方にこだわる老マニアの葛藤を吐露する。「短編小説の傑作 仙山線」は、わずか原稿用紙10枚で山岳路線の魅力を引き出してくれるし、「車窓雑感」と「カメラの功罪」は紀行文を志す書き手に対して的確な心構えを与えてくれる。
 鉄道ネタ以外の話題も豊富である。「転業始末記」はサラリーマンが憧れる転職の裏面を面白おかしく、時にウイットを交えながら描いている。家族や小物に対する細やかな愛情も心地よい。もと編集者らしい読書論も興味深い。
 結局、こういったエッセイの評価って、作者の視点と文章力、そして人柄にかかっているんだね、ということを再認識させてくれる。朴訥とした喋りに、アイロニカルな筆致。そのアンバランスさが文章の魅力を引き立ててくれる。

          【1987年 新潮社】
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  1. 2006/09/19(火) 23:51:58|
  2. 宮脇俊三の話

プロフィール

もりくち

Author:もりくち
関西在住の鉄道マニア兼バックパッカー。「とれいん工房」として同人誌を多数発行。2001年に「鉄道未成線を歩く 私鉄編」、2002年に「鉄道未成線を歩く 国鉄編」をJTB出版事業局(現、JTBパブリッシング)から刊行しています。日々の話は、下のリンク先にある「とれいん工房の汽車旅12ヵ月」へ。連絡先はmalmori●nifty.com。

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